文の要素について

 そもそも「文」というのは何からできているのでしょう。

 日本語では、文は主部と述部からなるなどとも言われます。しかし日本語には、主部のない文も存在します。さらに述部の中心となる品詞に応じて、名詞文、形容詞文、動詞文と分類もされます。日本語の文の型を1つに定めて説明するのは少し困難だということです。

 英語について、チョムスキーはNP(名詞句)とVP(動詞句)からなる、と説明しました。確かに英語を説明するにはこれが一番シンプルと言えます。またこの説明は、英語における主語の特異性を示すことにもなります。どういうことかというと、文がNPとVPからできるといったときのNPは、文の主語に当たります。英語は必ず主語が(文法的に)必要になるということです(主語という用語については別途考えたいと思います)。VPの中にまたNPが現れることもあります。動詞の目的語などです。しかしそれは、主語とは文法的な重みが違うというのが英語の特徴です。

 とはいえ、日本語話者にとっては、いったん、主語としてのNP(名詞句)も、そうでないNP(名詞句)も同列に扱う方が理解しやすくなると思われます(日本語では述語に結びつく名詞句は基本的に同等なので)。そこで大雑把に、英語を品詞の単位でとらえる時は、名詞と動詞を基本と考えるのがよいようですが、どうしても形容詞に当たるものを一つの単位としてとらえておく必要がありそうです。そしてそれ以外に、いずれにも分類できない要素(一般に副詞と分類される)があります。

 ただし、英語における「品詞」はそれほど単純なものではありません。これについては「品詞について」をご参照ください。

品詞について

 英文法を学ぶ際に、よく「品詞の区別が大事」と書かれてあることがあります。

 しかし、英語においては、一つの単語がいろいろな品詞として使われることが多いのです。例えば、以下を見てみましょう。

study 名詞「勉強」、動詞「勉強する」
hand 名詞「手」、動詞「手渡す」
break 名詞「中止」、動詞「壊れる、壊す」
open 形容詞「開いている」、動詞「開く」

 日本語の場合、「勉強」という名詞はそのまま動詞にはなりません。動詞にするには、「勉強する」という形にする必要があります。つまり、名詞と動詞とは形が違うので、語そのものを品詞に分ける意味があります。

 しかし英語は、語そのものを見ても品詞は判断できません。openは形容詞か動詞か、という問いは無意味なのです。英語では、その語が文の中でどのような品詞として使われるかということに意味があります。むしろ、それが分からなければ、英文の正しい解釈はできません。

 つまり、英語において品詞を見分けるということは、文の中でどの品詞として使われているかを見分けることに他なりません。この点をまずは理解しておく必要があると思います。

このサイトについて

 英文法を解説したサイトは世の中にたくさんあります。中学校で習う英文法をそのまま解説したようなものもあれば、そういった英文法(いわゆる学校文法)を否定して新たな理論を紹介しているものもあります。

 また、英文法を重視するから会話(コミュニケーション)ができないのだとして、実践的なフレーズをひたすら暗記すればよいと主張する人たちもいます。

 私自身は、英語をいろいろな人に教えた経験から、いわゆる学校文法には限界があると感じていますが、英文法が不要だとは思えません。仕組みを知らなければ、初見の文を解釈したり自分の作りたい文を生成することができないはずだからです。

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