述語動詞句の後にitを含む主述関係が現れる構文

to不定詞や動名詞(ing形)は主語になることができますが、それをitで置き換えてto不定詞や動名詞で始まるフレーズ自体を後ろに持ってくることができます。

It is impossible to fly to the moon on a plane. 
「月まで飛行機で飛んでいくことは不可能だ」

これと同じように、述語動詞の後の主述関係でitが用いられることがあります。

He made it possible to fly to the moon on a plane. 
「彼は月まで飛行機で飛んでいくことを可能にした」

いくつかのパターンを覚えてしまうのがよいと思います。

make it possible to ~ 「~することを可能にする」

think it difficult to ~ 「~することが困難だと思う」

make it a rule to ~ 「~することを習慣にする」

上の2つはitの後が形容詞、最後の1つはitの後が名詞になっていることに注意しましょう。

considerのような動詞では、次のように受身になった文も現れます。

It is considered difficult to fly to the moon on a plane. 
「月まで飛行機で飛んでいくことは難しいと思われている」

少しややこしいですね。「We consider it difficult」が受身になったと考えてみましょう。itの中身のto不定詞が離れたところに出てくるのも難しく感じる要因かもしれません。itを日本語の「それ」だと思っていると、このような文で分からなくなってしまいます。to不定詞や動名詞、あるいはthat節など、名詞の働きをするものを、itで表して文の前の方に持ってくるという英語の感覚をつかんでしまうことが大事だと思います。

能動受動態といわれるもの

「能動受動態」と聞くと非常に難しく感じますが、そんなに頻度の高いものでもなく、説明自体は難しくありません。このような用語で説明される場合が多いのでこれをタイトルにしておきましたが、簡単に言うと、「他動詞として使われることが多い動詞が、物を主語として自動詞として使われる」というものです。「中間構文」と説明されることもあります。

前に、自動詞にも他動詞にもなる動詞のところであげたものは、対応する日本語も自動詞と他動詞が対をなすものがほとんどでした(「割れる」と「割る」、「閉まる」と「閉める」など)。今回の能動受動態で使われる動詞は、対応する日本語も明確な自他の対応を持たないようです。

I read this book easily.

これを「本」を主語にしようとすると、普通は以下のような受身文を考えつくと思います。

This book is read easily (by me).

しかし実は、readを自動詞として使って、

This book reads easily.

と表せるというものです。主語が単数なのでreadがreadsになることに注意しましょう。まさにread単体で「本」という主語と対応していることが分かると思います。

意味は、「この本は簡単に読める」のように、可能の意味合いが入ってきます。その前に出した受身文も、あえてそのまま日本語にしようとしたら「この本は簡単に読まれる」となりますが、やはり可能の意味があるでしょう(可能と受身が英語においても日本語においても近いことは、どこかで触れた気がします)。

もう一つ、能動受動態を持つ動詞としてよく出てくるものをあげておきます。

They sell this book well.

This book is sold well (by them).

This book sells well.

3番目のものが自動詞として使っているものです。この2番目の受身文と3番目の自動詞文との違いは、受身文では売っている人が意識され、自動詞文だと売っている人は意識されず、本自体の魅力によって売れている感じになることだそうです。

他動詞として見慣れた動詞でも、物が主語として出てきたときに、どうも他動詞的に訳しづらければ(あるいは目的語に当たるものが見つからなければ)、このような用法が英語にあることを思い出してみてください。

自動詞について

 英語では、裸の名詞を目的語としてとる動詞を他動詞とよびます。他動詞でないものは、すべて自動詞に分類されます。とはいえ、その自動詞も様々な観点で分類ができそうです。

 まずは純粋に動詞のみで用いることができるもの。

She is laughing. 彼女は笑っている。

 次に、前置詞句がないと落ち着かないもの。

This book belongs to me. この本は私のものだ。
She is in the garden. 彼女は庭にいる。

 上の例は関係を表す自動詞、下の例は存在を表す自動詞です。

 そして、補語といわれるものを要求する自動詞があります。補語には、裸の名詞もしくは形容詞が用いられますが、裸の名詞を補語とする自動詞は割と限られていて、多くは形容詞が補語となるようです。このタイプは、状態、状態の維持、状態の変化、感覚と下位分類できます。

She is a high school student. 彼女は高校生です。
This book is so expensive. この本はとても高価だ。

 状態を表すbe動詞は名詞も形容詞も補語としてとります。

He remains a student at heart. 彼は心は学生のままだ。
She remains silence. 彼女は沈黙を保っている。

 状態の維持を表す自動詞です。remainは上記のように、名詞も形容詞もとるようです。stayも同様です。

 似た意味を持つkeepになると、基本的に補語は形容詞のみ。裸の名詞をとると、通常は「~をとっておく」といった意味になってしまいます(例えばShe kept a student.は、「彼女は学生を(授業後も教室に)残した」)。

He became a doctor. 彼は医者になった。
She became good at tennis. 彼女はテニスが上手になった。

 状態の変化を表すbecomeも裸の名詞と形容詞のどちらもとることができます。get、go、come、turnなどは基本的に形容詞のみをとります。

He looks happy. 彼は幸せそうに見える。
This coffee smells good. このコーヒーはいい香りがする。

 これらは感覚を表す自動詞です。taste、sound、feelなどもこの仲間です。上の例文では形容詞をとっています。名詞を使いたい場合はlikeを用いることになります。

She looks like a movie star. 彼女は映画スターのように見える。
This coat feels like a blanket. このコートは毛布のような肌触りだ。

 また他には、「~のようだ」を表すseem、appearといった動詞があります。日本語だと、「~ようだ」といったモダリティ要素を使って表すところを、英語では動詞を使って表すところが面白いと思います。seemの使い方は別にまとめたのでそちらを参照してください。

 最後に、自動詞+前置詞で他動詞のように振る舞うものがあります。このようなものは、受身にすることも可能です。別途まとめたいと思います。

能動受動態といわれるもの