自動詞について

 英語では、裸の名詞を目的語としてとる動詞を他動詞とよびます。他動詞でないものは、すべて自動詞に分類されます。とはいえ、その自動詞も様々な観点で分類ができそうです。

 まずは純粋に動詞のみで用いることができるもの。

She is laughing. 彼女は笑っている。

 次に、前置詞句がないと落ち着かないもの。

This book belongs to me. この本は私のものだ。
She is in the garden. 彼女は庭にいる。

 上の例は関係を表す自動詞、下の例は存在を表す自動詞です。

 そして、補語といわれるものを要求する自動詞があります。補語には、裸の名詞もしくは形容詞が用いられますが、裸の名詞を補語とする自動詞は割と限られていて、多くは形容詞が補語となるようです。このタイプは、状態、状態の維持、状態の変化、感覚と下位分類できます。

She is a high school student. 彼女は高校生です。
This book is so expensive. この本はとても高価だ。

 状態を表すbe動詞は名詞も形容詞も補語としてとります。

He remains a student at heart. 彼は心は学生のままだ。
She remains silence. 彼女は沈黙を保っている。

 状態の維持を表す自動詞です。remainは上記のように、名詞も形容詞もとるようです。stayも同様です。

 似た意味を持つkeepになると、基本的に補語は形容詞のみ。裸の名詞をとると、通常は「~をとっておく」といった意味になってしまいます(例えばShe kept a student.は、「彼女は学生を(授業後も教室に)残した」)。

He became a doctor. 彼は医者になった。
She became good at tennis. 彼女はテニスが上手になった。

 状態の変化を表すbecomeも裸の名詞と形容詞のどちらもとることができます。get、go、come、turnなどは基本的に形容詞のみをとります。

He looks happy. 彼は幸せそうに見える。
This coffee smells good. このコーヒーはいい香りがする。

 これらは感覚を表す自動詞です。taste、sound、feelなどもこの仲間です。上の例文では形容詞をとっています。名詞を使いたい場合はlikeを用いることになります。

She looks like a movie star. 彼女は映画スターのように見える。
This coat feels like a blanket. このコートは毛布のような肌触りだ。

 また他には、「~のようだ」を表すseem、appearといった動詞があります。日本語だと、「~ようだ」といったモダリティ要素を使って表すところを、英語では動詞を使って表すところが面白いと思います。seemの使い方は別にまとめたのでそちらを参照してください。

 最後に、自動詞+前置詞で他動詞のように振る舞うものがあります。このようなものは、受身にすることも可能です。別途まとめたいと思います。

能動受動態といわれるもの

他動性の低い他動詞

 一般に、「一方の行為が他方に及び、他方に変化をもたらす」性質を「他動性」とよび、文法的に「他動詞」とされるものは他動性の高い動詞です。しかし、英語には、文法的には他動詞(いわゆる裸の名詞を目的語としてとるもの)でも、他動性が低い動詞が多くあります。そのような動詞は自動詞と間違えやすく、目的語となる語の前に前置詞を入れたくなってしまいます。そのような英語の他動詞として、以下のようなものがあげられます。

accompany, address, answer, approach, attend, discuss, enter, face, follow, leave, marry, match, mention, obey, oppose, reach, resemble, suit, visit, etc.

 enterやreachのように移動を表すものは、toを入れたくなってしまうでしょう。また、resembleやmatchなど、関係を表すようなものには、withを使いたくなるかもしれません。discussやmentionにはaboutあたりをつけたくなる気持ちも分かります。しかし、これらの動詞は英語では裸の名詞を後に持つことができる他動詞です。

 先に述べた通り、日本語の他動詞は一般に助詞「ヲ」をとります。そのため、日本語で「ヲ」をとらない動詞に対応する英語の動詞を、他動詞としてイメージすることが難しくなってしまうようです。英語は日本語を置き換えたものではないということを確認する必要があるでしょう。

 自動詞についても簡単に見ておきたいと思います。

自動詞にも他動詞にもなる動詞

以下は以前に紹介した例文です。

1a. 花瓶が割れた。(自動詞文)
1b. 花瓶を割った。(他動詞文)

2a. The vase broke. (自動詞文)
2b. Tom broke the vase. (他動詞文)

日本語では、自動詞と他動詞が違う形になっていますが、英語では同じ形が自動詞としても他動詞としても使われていることが分かると思います。このような動詞を「能格動詞」とよぶそうです。

英語の主な能格動詞として、以下のような語があげられます。

break, burn, close, decrease, diminish, drop, dry, grow, increase, move, open, shake, shut, split, spread, stop, turn

それぞれで自動詞文と他動詞文を作って確認してみてください。なお、このような能格動詞は変化を表す語が多いといわれます。

自動詞文:(物が)変化する
他動詞文:(人が)(物を)変化させる

これらの動詞が関係節の中で使われたり、分詞やto不定詞の形で使われたとき、後ろに裸の名詞をとるかとらないかという違いが問題になってきますので、気をつけておきましょう。