能動受動態といわれるもの

「能動受動態」と聞くと非常に難しく感じますが、そんなに頻度の高いものでもなく、説明自体は難しくありません。このような用語で説明される場合が多いのでこれをタイトルにしておきましたが、簡単に言うと、「他動詞として使われることが多い動詞が、物を主語として自動詞として使われる」というものです。「中間構文」と説明されることもあります。

前に、自動詞にも他動詞にもなる動詞のところであげたものは、対応する日本語も自動詞と他動詞が対をなすものがほとんどでした(「割れる」と「割る」、「閉まる」と「閉める」など)。今回の能動受動態で使われる動詞は、対応する日本語も明確な自他の対応を持たないようです。

I read this book easily.

これを「本」を主語にしようとすると、普通は以下のような受身文を考えつくと思います。

This book is read easily (by me).

しかし実は、readを自動詞として使って、

This book reads easily.

と表せるというものです。主語が単数なのでreadがreadsになることに注意しましょう。まさにread単体で「本」という主語と対応していることが分かると思います。

意味は、「この本は簡単に読める」のように、可能の意味合いが入ってきます。その前に出した受身文も、あえてそのまま日本語にしようとしたら「この本は簡単に読まれる」となりますが、やはり可能の意味があるでしょう(可能と受身が英語においても日本語においても近いことは、どこかで触れた気がします)。

もう一つ、能動受動態を持つ動詞としてよく出てくるものをあげておきます。

They sell this book well.

This book is sold well (by them).

This book sells well.

3番目のものが自動詞として使っているものです。この2番目の受身文と3番目の自動詞文との違いは、受身文では売っている人が意識され、自動詞文だと売っている人は意識されず、本自体の魅力によって売れている感じになることだそうです。

他動詞として見慣れた動詞でも、物が主語として出てきたときに、どうも他動詞的に訳しづらければ(あるいは目的語に当たるものが見つからなければ)、このような用法が英語にあることを思い出してみてください。