to不定詞の形容詞的用法と呼ばれるもの 2

 形容詞的用法と言われるto不定詞の場合、前の名詞が不定詞の後ろに来ることができるものだけではありません。

She was the first woman to become president.
彼女は社長になった最初の女性だ。

 この場合、toの次のbecomeはすでに後ろにpresidentという裸の名詞を持っており、これ以上、後ろに裸の名詞をつけることはできません。実はこれは、「the woman became president(becomeが定動詞になるので時制を過去にしました)」という文が元になります。いわゆる動詞の主語にあたるものがto不定詞の前に来るパターンです。このようなものは、「the first 誰々」のように、人がto不定詞の前に来る例が多いようです。また、「something to be done」のような受身のto不定詞が用いられる場合も、元は「something is to be done(何かがなされねばならない)」と考えられるので、受身文の主語がto不定詞の前に来ているととらえることができるでしょう。

 さらに名詞の後ろに来るto不定詞には、もう一つのパターンがあります。

I made a decision to quit my company.
会社を辞める決心をした。

 これは「a decision」の中身をto不定詞で表していて、文全体は「I decided to quit my company.(会社を辞めることを決めた)」とほぼ同義です。  ここでの名詞「a decision」はto不定詞quitの主語や目的語になりうるものではありません。このようなものは「同格のto不定詞」と呼ばれることもあり、形容詞的用法ではなく、名詞的用法であると説明されることもあるようです。

 最初に書いた、to不定詞の用法の分類はそれほど意味がないということは、こういうところからも分かっていただけると思います。

to不定詞の形容詞的用法と呼ばれるもの

 to不定詞が名詞を説明している場合、形容詞的用法と一般に呼ばれます。

 その時には、to不定詞の前の名詞が、to不定詞以下のまとまり(to不定詞句という言い方をします)と強い結びつきを持っていることがあります。

a book to read (読む本) ← to read a book (本を読む(こと))

 この場合、to不定詞の形で現れるreadの目的語が前に出て、to不定詞で説明される形となります。

 ちなみに日本語では、「本を読む」の「本」が後ろに来て、「読む」によって前から説明されることになります。日本語と英語で動きが逆になることを念のために確認しておきましょう。

a house to live in (住む家) ← to live in a house (家に住む(こと))

 これは英語の教科書によく出てくるパターンで、「*live a house」という言い方ができないために、「*a house to live」は不可となります。

 to不定詞の前の名詞を見て、その名詞がtoの次の動詞(いわゆる不定詞)の後ろに来そうだと思ったら、後ろに戻してみる練習をするとよいと思います。その名詞が裸のままで存在しうるのか、あるいは前置詞が必要なのか、そういった感覚も掴めるのではないでしょうか。

to不定詞の形容詞的用法2