主語という用語について補足

主語という用語について」で述べた、述語動詞と対応する主語の他に、述語動詞以外の動詞に対しても、その動詞の「主語は何か」、という言い方をされることがあります。 英語を勉強していると、「形式主語」「意味上の主語」という用語を目にします。「形式主語」は文字通り、形の上で述語と一致する主語のこと。「意味上の主語」が、上記のように述語動詞にならない動詞に対して使われる語です。

 では「意味上の主語」とは何か。パッと思いつくのは、その動詞の「動作主」でしょう。ただし厄介なのは、「太郎が歩いている」なら「太郎が動作主」でしっくりきますが、「太郎が知っている」の場合、動作主という言い方に違和感があります。述語が動作を表すものでない場合、例えば「経験者」といった方がいいこともあるようです(「彼は怪しい物音を聞いた」など)。また、英語の場合は、”This news pleases me.”のように、「刺激」が主語となるものもあります。

「形の上で述語と一致する主語」として現れるものがいったいどんな意味役割を持つのかについて、プロトタイプは「動作主」になるのでしょうが、結局、動詞によって「何が(どんな意味役割の語が)主語となるか」が決まることになります。そうなると、動詞が述語動詞になった時に主語として現れる意味役割を担うものを、「意味上の主語」という言い方をするのは、ある意味一番合理的かもしれません。

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